仮面王子

──カタカタ



「はい、
出たよ?」



ネカフェ‥ネットカフェに着くと苺は、慣れた手付きでパソコンの電源を入れ例の“サイト”をすぐに探し当てた。



「ありがと」



私がパソコンを見ようとするとパソコンと私の間に入り私が見る事を阻止する苺。


私が怪訝そうに苺を見ると苺はいつものヘラッとした表情からは想像も出来ないくらい真剣な顔をして口を開いた。



「姫はさ、これ見て大丈夫なの?」


「それって‥どういう意味?」


「サイトの事を誰から聞いたのか知らないけどさ、その人がサイトの事を詳しく姫に教えなかったのは姫の事を想ってるからでしょ?
それをこんな形で裏切ってもいいのかなって‥」


「‥‥‥」



私が思わず無言になってしまったのは苺の言ってる事が間違ってないと思ったから‥。



「それでも、見る‥?」



葵衣‥、
ごめんっ!!



私は心の中で葵衣に謝ると、苺の問いかけにコクンと頷いた。



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