仮面王子
「なーんだ、じゃあ今日は涼くん来ないんだぁ」


「密かに期待してたんですか?」


「そりゃねぇ?」


「もー、苺ったらー」


「だってぇー‥!」



その後苺とは、他愛ない話をして別れた。


そして私は珍しく1人で帰宅。



 ピリリリリ ピリリリリ♪



また迷惑メールだよ‥


多分、裕子さん。


最近は知らないアドレスは無視してたんだけど、相手が相手だけに私は何故か開いてしまったんだ。



from:xxx@***.ne.jp
sub:死ね
──────────

今からあの世に
送ったげる。


   --END--



「なに‥これ‥」



メールを見た瞬間震えが止まらなくなった‥。

私が立ち尽くしていると後ろから誰かに肩を叩かれた。



「永井姫夏さんですか?」


「はい、そうですけど‥」



その瞬間、先の尖った何かが私に降り下ろされた。



「痛っ‥」



腕を切りつけられ思わずしゃがみこむ。



「Raitoとは別れて。Raitoはみんなのモノ‥」



そう言い残すと‥彼女‥多分、裕子さんは立ち去った。


私はしばらくその場にしゃがみこんでいた。




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