仮面王子
私達は、時間が遅い事もあって近くにある24時間営業のファミレスに来ていた。



「お前、何食う?」


「‥チョコパフェ」



いつもの如く、蕾斗が変装をしていないせいで周りからの視線がすごく痛い。



「お前は子供か。先にちゃんと飯食ったらパフェ買ってやるよ」



だって食欲ないんだもん‥


私はメニューをめくりながら1番量が少なそうな“エビピラフ”に目を着けた。



「私、エビピラ‥「俺、海鮮パスターっ♪」



え‥?



「涼くんっ‥」



またこの方は変装もせずに‥



「おぉ、涼。悪かったな」


「悪かったも何も姫子ちゃんの為ですからーっ♪」



‥‥‥は‥い?



「私っ?!?!」



今、私の為って言いましたよね?



「で?」



涼くんの言葉を華麗にスルーして、私の言葉を無視した蕾斗が話の先を託す。



「あぁ、調べは着いたよってか、俺海鮮パスタ〜」


「ったく‥」



蕾斗は少し呆れた表情をすると、店員を呼び出すあのピンポーン♪っていうボタンを押した。



「私が押したかった‥」



蕾斗の行動を見てつい言ってみる。



「ご注文はお決まりですかぁ?」



私の呟きもこの店員によってかき消された。

ていうか‥、
この店員の猫なで声が耳に障る‥。



「エビピラフと海鮮パスタ‥、それとタラコスパゲティ‥

他は、何かいるか?」



店員に私達の物と、自分の物を頼みながらこちらに目配せしてくる蕾斗。



「オレンジジュース」


「俺もーっ♪」



涼くんオレンジジュース好きなのかな?

確か、初めて会った日もオレンジジュース頼んでたような‥




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