死のメール
彩織と卓哉の家に着き、先ずは卓哉の部屋に入ってみた。
すると卓哉は部屋の電気を消し、暗闇の中で何かをずっと呟いていた。

「へ、へへ…次のターゲットはきっと俺なんだろうな…家に居れば…きっと死ぬ
事はねぇよな…」

 卓哉は死を恐れ、自分で自分を隔離していたのだ。

「可哀相だけど…私達高畑家での呪いは絶対なのよ。」
「まぁ、自業自得でしょ。」

俺たちが平然と会話を交わしていると卓哉が自分で自分の首を締め始めていた。

「な、何だよこれ!?体が勝手に…くっ…っ…かはっ…」

卓哉は物凄い力で自分の首を締め、窒息死してしまったのだった。
俺と友嘉は目を見開いて死んでいる卓哉を上から暫らく見下ろし、家へと帰って
いった。

 ちょうどこの時姉の彩織は隣の自分の部屋の隅で蹲り、震えていた。

「…親友…彼氏…大事なものを私は失った…でも私はもっと大事なものをまだ
失っていない…自分の命を…まだ失ってはいないの…ふふ…ははははは!!あー
はっはっは!!」

彩織が狂ったように笑っていると彩織の後ろに慶嘉が現れていた。

「醜いね…凄く醜いね…ママを殺した貴女…凄く醜いね…」
「煩い…煩いうるさぁい!消えろぉ~!」

彩織は本当に狂ってしまったのだろうか?きちがいのように叫んだ後に近くにあ
る物を慶嘉に投げ付けていた。
だが、幽体離脱をしている慶嘉に物が当たるわけない。
彩織が慶嘉に投げ付けたものは慶嘉を貫通すると壁に当たって床に落ちていっ
た。
彩織は息を切らしながら慶嘉の事を睨み付けるが慶嘉は全く気にせずに彩織を見
るとにやっと笑った。

「大丈夫だよ。消えるのは貴女の方なんだから…」

慶嘉はそう言い残すと闇の中に消えていった。
そして慶嘉は家に戻ってきた。
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