死のメール
慶嘉の言っている事は本当だったのだ。

「…慶ちゃん…慶嘉…」

 友嘉の澄んだ声を聞き、感情を抑えられなくなった俺は友嘉を自分の胸に強く
抱き締めた。

「…慶ちゃん?痛いよ…それに…血…ついちゃうよ?」
「血に濡れたって何だって良いよ。友嘉なんだもん…」
 久々に友嘉を自分の胸に抱き、友嘉の温もりを思い出したような気がした。
だが、今はもう友嘉の体は冷え切り、氷のように冷たくなっていた。
それでも心の中に秘められている『愛している』という気持ちに変わりは無かっ
た。

「でもまだ、これで終わりじゃないよ。慶嘉の復讐はまだ終わってない。」

 慶嘉はそう言って床に座り込んでいた。
慶嘉の言葉を聞いて友嘉は青ざめ、俺の腕から抜けると慶嘉の所へ行った。

「慶嘉…復讐って…」
「ママは超能力者だからこれから慶嘉のする事分かるでしょ?ママをこんな風に
した人達を…慶嘉は許さない。」
「…慶嘉…」
「慶嘉、一体何をするつもりなの?」

 俺は慶嘉と友嘉の話に入り込んだ。
慶嘉と友嘉は超能力や霊能力の事を分かっているが、俺は全く何も知らない『ど
素人』である。
だから二人が通じ合っていたとしても、俺には何のことなのかさっぱり分からな
かった。

「…死のメールで…ママを殺した人を呪うの。」
「死の…メール?」
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