幕末Drug。
斎藤さんの言葉に、皆黙り込む。
『…ま、確かにね。』
その沈黙を打ち破るかのように、沖田さんが飄々とした口調で斎藤さんの言葉に頷いた。
『要するに、‘縁が有れば、また逢える’って…一君は、そう言いたいんだよね。』
顔には笑顔が浮かんでいる。
『…まあ…そういう事だ。』
…全くそうは聞こえなかったけれど、寧ろ『早く帰れ』と言われている様な気にすらなったけど……どうやら、沖田さんの言う通りらしい。
言い方がキツイだけで、根は優しい人なのかもしれない。…多分。
『…行くか。』
店長の一言で、私達はノロノロと立ち上がった。
お礼を言い、店長、あおい、雛の順番で部屋から出ていく。
『もしまた逢えたら…茶屋で美味しい団子、食べようね。』
振り返ると、沖田さんの変わらぬ笑顔。その言葉に頷くと、離れがたいものを感じながらも私は部屋を後にした。