幕末Drug。
きょとんとする藍さんを横目に、私は言葉を続けた。
『…友達だから、沢山頼って下さい!…不安な時は、一緒に傍に居ます。悲しい時は、涙が枯れるまで泣いて下さい。…全部、受け止めます。私達は、藍さんの友達…ですから。』
…ちょっと熱くなってしまったかもしれない。
こういう時、感情が先走って言葉を選んでいられなくなるのだ。
でも…
でも。
私の気持ちを少しでも藍さんに伝えたい−−…。
その一心で、言葉を紡いだ。
『……ありがとう。』
申し訳なさそうにしていた藍さんが、私を見て微笑んだ。
『…何だか、もっともーっと頑張れそうな気がしてきた!』
先程の暗い表情を払拭するかの様に、両手で拳を作り満面の笑みを浮かべる藍さん。
…伝わって、良かった。
雛がニヤけた顔で私を見ていたけれど、今はそんな事気にしない。
言いたい事が伝わったなら、それで良い。
部屋に着くと、既に敷布団が用意されていた。
…恐らく、土方さんの小姓と呼ばれていた子が用意してくれたのだろう。
『川の字で寝るなんて久しぶり!』
雛が嬉しそうにはしゃぐ。
そう言えば、仕事を終えてから今までずっと寝ていなかった。
色んな事があり過ぎて…正直、頭の中を整理するので精一杯でもある。
だけど…---
そんな事、言ってられない。
『私真ん中ね!あー…化粧落とさなきゃな。ふき取りシートが確か鞄の中に…。あ、ちょっと美穂着物脱がして!』
…いつも通りの強気な雛を見て、私は気合いを入れ直した。