『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
第18章『残酷な奇跡』
息を引き取った滝沢を見て涙を流す雪華とその様子を見届けている茂。


そして、新道に送り込まれた“偽りの記憶”の復讐を成し遂げたリン。


雪華は落胆した表情を見せながら全身の力が抜けたかの如く、その場でしゃがみ込む。


雪華(酷い…酷過ぎる…こんなのって…)


茂『…』


死んだ滝沢と、滝沢の“死”を見て悲しむ雪華の姿を見た新道が雪華と茂に語りかけた。


新道『終ったな…』


新道の方に振り向き新道の顔を見る雪華と茂。

そして再び二人に話し続ける新道。


新道『これで、私の計画を邪魔する者は居無くなった訳だ。滝沢君には悪いが、私の計画に“賛成してくれない”っと分かった時点で、彼の死は決まって居たのだよ。』


新道『しかし、悲しいモノだ…4億年以上も待った結果が“これ”とはなぁ…』

その新道の言葉を聞き、雪華は怒りが込み上げて来た。

そして、新道に向かい、怒鳴る雪華。


雪華『ふざけないで』


雪華『何が、“世界を救う”よ』


雪華『こんなの…こんなのただの、“人殺し”じゃない』


雪華『滝沢君が、一体何をしたって言うのよ』


雪華の言葉を聞き、新道が答える。


新道『滝沢君が“何をした”っか…私からすれば、“Messiahの血を引く、彼自身の運命だった”っとしか言えんなぁ…』


雪華『何が何が“運命”よ』


そして、震えながら、両手で銃を構えているリンを見た雪華はまた新道に怒鳴った。


雪華『どうして?…どうして貴方は平気でこんな酷い事が出来るの』


雪華『リンはねぇ…』


雪華『リンは貴方に滝沢君の記憶を全て消されても、ずっと滝沢君の事を信じて居たのよ滝沢君の事が大好きだったのよ』


雪華『それなのに…』
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