『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
リンの中の受信機が壊れた事に、いち早く気付き、驚きの表情を見せる新道。


そして、リンは、今まで歩んできた自分自身の人生、リン自身の経験、そしてその経験の積み重ねで有る“本物の記憶”が一瞬でリンの脳を駆け巡り、リンの脳は、リンに自分の記憶のフラッシュバックを写し出した。


そしてリンは、滝沢との記憶も全て取り戻す。


しかし…


銃を落とす音『カタン…』


リンの震えた両手から銃が落ちた。


リンの瞳には、大粒の涙…

リンが唇を震わせながら、誰にも聴こえ無い程の小さな声で滝沢の名前を呼ぶ。


リン『た…き…ざ…わ君?…』


更に、リンの大粒の涙は、次第に膨れ上がり抑え切れず、リンの涙が頬を伝う。

リン『……たっ…ちゃん…?』


全ての記憶を取り戻したリンだったが、リンの瞳に写る“現実”は余りにも、“残酷”なモノだった。


今、リンの瞳に写る光景…それは“銃で撃たれ、倒れている滝沢の姿”…


そして、“自分が今”滝沢に何をしたのか…それは“自分自身の手で、この世で一番大切な人の命を奪ってしまった”と言う現実だった…


リンはその場でしゃがみ込み、両手を自分の顔に当て大声で泣き叫んだ


リン『イヤャャァー』



リン『たっちゃん…』

リン『嘘』


リン『嘘よこんなの』

リン『嘘よー』


リン『たっちゃーん』

リン『イヤャャアァーー』


その時、リン達の耳に拍手の音が聴こえた。


拍手の音のする方向を向く雪華と茂。
< 102 / 207 >

この作品をシェア

pagetop