『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
茂『全ては俺の“計算通り”…だな…滝沢?』


茂は新道の真後ろを見ながらそう言った。


茂の言葉を聴き、新道が自分の後ろを振り返ろうとした。


すると、新道の後ろには、新道の頭に銃を突き付ける“滝沢”が居た。


銃の音『カチャッ』


更に新道の後ろに居る滝沢が新道に喋り掛けた。


滝沢『おっと…そのまま動かないでよ〜新道さん』

滝沢『一応言っておくけど、これは“本物の銃”だからね〜』


全く状況が掴めない表情を見せる新道。


その新道に茂がまた語り出した。


茂『オッサンは、まだ、分かってねぇ見てぇだから教えといてやるよ…』


茂『アンタの仕掛けたこのくだらねぇ“ゲーム”は、とっくに勝負が見えてたんだよ』


茂『アンタと俺達がここで会うずっと前からな』


新道『ずっと前からだと?何を言ってるんだ?貴様は…』


茂『そんな事よりよ〜、オッサンは“将棋”って知ってるか?』


茂の問いに答える新道。


新道『“将棋”だと』

茂『まぁ、今まで、アンタは世界中の人の記憶を見れてたんだから、それぐらいは知ってるか』


新道『貴様は一体さっきから何を言っているんだ?…その“将棋”がどうした。貴様は何が言いたいんだ』


茂『いやね、俺はその“将棋”が大好きでさぁ…今まで一回も人に負けた事が無いんだよ。』


新道『それがどうした』

茂『“将棋”ってのはなぁ、俺から言わせれば、俺達ハッカーがやる“ハッキング”と全く同じなんだよ…』


新道(…)


茂『“将棋”ってのはなぁ、相手の陣地に入り込んで、相手の駒を奪いながら、その奪った相手の駒を自分の駒として使い、相手の王将を“ツミ”…つまり“王将の動きを完全に止め、王将を討ち取る”事を目的としたゲームだ。』


茂『俺の居た“ハッカー”の世界もハッキングをする時は、今言った“将棋”と同じ事をするんだよ…』
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