『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
まぁここまでは君の計算の範囲内だろう。だが、これだけじゃ終わらないんだよ。

その一通目のメールを読んだ君の考えを俺は計算したんだ。


俺が計算して導き出した答えの可能性は5つだ。


1つ目は、今君が見ているこのメールがその結果さ。

君は一通目の送信者に“学校での出来事”に関しての質問をする。


そして、その回答次第で、メールの送り主である俺が、例の“パソコン爆発未遂事件”や、君自身が抱く、自分の部屋のパソコンへの違和感の原因も全て知っている可能性が高くなるからね。


そして、その質問の返事が“有る”“無し”だけでも、君は送信者自体の正体。つまり、“本当に昔の自分なのか”それとも“昔の自分を語る第三者か”を確かめる事が出来る。


つまり、この質問は俺的に見ても、今の君的に見ても、“最良の選択”だ。


次に可能性が高いのは2つ目だ。


可能性2つ目、君は一通目の俺の指示通り“空メール”を送る。


この2つ目は安全面を考慮するなら一番の得策だね。

一番可能性の高い1番は確かに最良の選択だが、少なからずリスクが付いて来る。


それは、もし“空メール”を送れと言われて居たにも関わらず、空メールを送らなかったら、返信その物が来ないかも知れない。
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