『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
じゃあ先ずは事件の発端の説明をしよう。


俺は、さっきも言ったが、世界一の頭脳を持った人間だ。


そんな俺は、訳有ってネット上でハッキングをして暮らしてた。


正直…何故、俺が“ハッカー”に成ったかは、昔の記憶を持たない君には教えたくは無い…

この件に関してだけは、俺は、君が忘れたままでも良いと思って居る。


まぁ、それはさておき、俺がネット上でハッカーに成ってすぐ、俺は“IQ380”のこの頭脳を使い、色々なハッキング方法を編み出したり、新たなプログラムを作ったり、数々の事をこなし、気が付けばネット上で“伝説のハッカー”とまで呼ばれる程に成っていた。

そんな俺の元に、同じハッカー仲間から、不思議なメールが届く様に成った。


しかも、一人のハッカーからでは無く、数多くのハッカーからだ。


しかし、不思議な事に、皆異変を俺に訴える割には、俺が“何が有った?”っと聞くと、皆返す言葉は一緒だった…


“分からない…思い出せない…”っとね。


そして、俺は考えた、俺に異変を訴えて来たハッカー達の“共通点は何か?”っと。


そいつらのパソコン自体に、俺がハッキングをして、その異変の元凶に成りそうな物を捜した。


そして、ついに見付けたそいつらの共通点が、“Memory社”への“ハッキング履歴”だったんだ。


勿論、一般の奴らがそいつらのパソコンを見ても、“ハッキング履歴”なんてのは見れないが、俺が作った“ハッキング履歴検索プログラム”を使えば、楽勝だった。


そして、不思議な事はそれだけでは無かった。


その後、俺は、もっと詳しく事情を知る為に、最初の頃に俺に異変を訴えたハッカー達のパソコンにまたハッキングを掛けたんだ。


しかし…つい一昨日位に俺がハッキング履歴を調べた筈のハッカーのパソコンは、端末自体が姿を消した事に俺は気が付いた。


そして、更に次から次へとその被害は、尋常では無かった。
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