『Memory's Messiah』（ダークファンタジー）

茂[少年]『何言ってるのさ君が言ってる“以前の君”って“俺自身”でしょなら俺は“自分”と“友達”を信じただけだよ』


Shelling『“トモダチ”？…』


茂[少年]『あぁ“友達”だこれからもよろしくねShelling』


その茂の言葉に“嬉しさ”と“悲しみ”“戸惑い”がこもった表情を見せるShelling。


その時Shellingは言葉を失い、一人、沈黙した。


その無口なShellingを見て茂は聴いた。


茂[少年]『ねぇShelling、どうしたの？』


するとShellingは閉じた口を開いた。


Shelling『始めてだった…この感情は……“分析出来ない”…以前の君の感情データにも入って無かった…』


Shelling『とても“嬉しい”筈なのに、喜びの涙も流せない…その事への“悲しみ”…以前の君もこんな感情は味わった事は無かったのだろう…だから“分析出来ない感情データ”への“戸惑い”…』


Shelling『僕は…この世界から…“電脳世界”からは出れない…君達と同じ“人間”には成れない…』


Shelling『僕には“一生、友達は出来ない”そう思ってた…出来るはずが無い…でも…君はそんな僕に“友達”って言ってくれた…』

Shellingのその“嬉しさ”と“悲しみ”を合わせた様な表情と言葉を聴いた茂は優しい表情でShellingに言った。


茂[少年]『良いんじゃない？涙を流せなくったって』


茂[少年]『良いんじゃない？住む世界が違ったって』


茂[少年]『俺はそんなの気にしないよ実体が無くても…同じ人間じゃ無くても…』


茂[少年]『君には、実体が無くても、“心”（感情）があるじゃん』


茂[少年]『俺は、見た目や姿があっても、“心”が無い人間より、君見たいな“心”を持った奴の方が、よっぽど“人間らしい”と思うけどなぁ』