『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)

第10節『Shellingの作戦』

茂が12歳の時の回想シーン。



茂とShellingは、Shellingが調べ出したパスワードのお陰で、“Memory社”のパソコンへの侵入経路が出来ていた。


そして、記憶を無くす前の茂のお陰で、神道のリアルタイムでの“他人の記憶を操る能力”も一時的だが失われていた。


しかし、この頃の茂にはあと2つ、解決しなければいけない“問題”が残されていた。


1つは…Memory社にハッキングする際にどうしてもぶち当たる壁…Memory社の対ハッキング用防御プログラムに寄る、“逆探知機能”…


この逆探知のせいで、以前の茂は、ハッキングの途中で神道に捕まり“記憶を奪われた”のだから…


そして、仮に逆探知を逃れたとしても、一度神道に捕まった人々には、神道が脳に仕込んだ“チップ”のせいでリアルタイムで皆の“見聞きした物”が神道に知られてしまう。


つまり、茂が“今”“何処で”“何をしているのか”も全て神道には筒抜け状態。


だが、その問題の解決策は既に、茂と同じ“IQ.380”のShellingが出していた。


茂[少年]『なぁ、Shelling、君が調べてくれた、パスワードのお陰で、Memory社のパソコンに入る事は出来たけど、実際どうするつもりなんだ?』


茂[少年]『Memory社のパソコンに侵入出来たとしてもMemory社側のパソコンにはハッキング対策の防御プログラムがあるんでしょ?』

茂[少年]『しかも、それって、逆探知機能が付いてて、ハッキングした側のパソコンがすぐにばれる』


茂[少年]『かと言って、俺が、このパソコン以外の…例えば“学校のパソコン”とか“満喫のパソコン”とか使っても、すぐに場所が特定されて、捕まっちゃう。』


茂[少年]『それと、今、神道は、俺を含めて、世界中のほとんどの人の、記憶をリアルタイムで見れるんでしょ?』


茂[少年]『って事は、仮に、防御プログラムの逆探知が無くても、俺の居場所や行動は全部神道に筒抜けなんでしょ?』


茂[少年]『いくら神道が皆の記憶を操作出来ないで、皆を操れ無くても、俺自身の行動が筒抜けなら道正も無くない?』
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