『Memory's Messiah』（ダークファンタジー）

茂『俺自身は、記憶を消される前に、一度神道と遭遇していたし、“神道の過去”も知ってる。』


茂『そして、神道の“考え方”や“行動”も計算が出来る。』


茂『俺のIQ380はそこまで計算が出来る。』


茂『そして、神道がこれからする事もな』


茂『だからこそ、コイツを作った。』


滝沢『何の為に？』


滝沢『神道はこれから何をする気なんだ？』


滝沢『それに、いくら神道と一度会ったからって君が読めるのは“神道”だけだろ？』


滝沢『つまり、神道以外の奴の行動は、全て君の“計算外”のはずじゃ？…』


茂『確かに、俺は悪までも、神道の動きしか読む事が出来ない』


茂『だが、アイツ(Shelling)は違った。』


茂『アイツ(Shelling)は、この世に“存在してはいけない者”にまで成っちまったんだよ…』


滝沢『存在してはいけない者？…』


茂『さっきも言ったが、俺は、俺自身のIQで、一度会って会話すれば、相手の考え方や行動が全て“計算”出来てしまう。』


茂『そして、その俺の分身とも言える程のShellingにも、当然同じ事が言える。』


茂『しかし…もしその“俺の能力”と“神道の能力”の二つを兼ね備えたらどうなると思う？』


正直、滝沢には余り理解は出来ては居なかった。


その滝沢の表情を見て、茂が言った。



茂『じゃあ、もっと簡単に言おう』


茂『俺は、出会った人の考え方や行動が分かる。』


茂『そして、神道のコンピューターには、世界中の人々の記憶と、その記憶を操る事を可能にするシステムがある。』


茂『そして、その二つの能力を合わせると、“神”にも等しい者が生まれる。』

滝沢『“神”？…』


茂『そう…』


茂『アイツ(Shelling)は世界中の人と会わずとも、世界中の人々の記憶を知ってしまった。』


茂『そして、その世界中の人々の記憶を知ったShellingは俺でも成し得ない程の膨大な規模での人々の行動の計算が出来る。』


茂『それは、精密な計算の上での“予知能力”と言っても良いだろう。』