『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
茂[少年](Shelling…確かに、君を作った時はそう思った。)


茂[少年](君が神道に使われたら“危険過ぎる”って…)


茂[少年](だけど…君が、俺にとって“君の存在”がこれ程大きくなるなんて、計算出来なかったよ…)

茂[少年](お願いだからお願いだから、俺を独りにしないでくれよ)


茂[少年](今の君は、俺に出来た、初めての…唯一の“友達”なんだよ)


泣きながら、パソコンを操作する茂とは裏腹に、Shellingは静かに消えて行った。


画面から姿を消したShelling…


その画面に手を当てながら、涙する茂。



茂[少年](何が“天才”だよ…)


茂[少年](世界どころか、“友達”一人も護れないじゃないか…)



すると、茂のパソコンのプリンターから一枚の紙が出て来た。


ウィーン…


ピーピー…


茂はその紙を手に取り、指で触れた。



『●○
○○
○○』


『●○
●●
○○』


『○○ ●○
○● ○○
○○ ○●』


『○●
●●
●○』


『●●
○○
○○』



茂[少年](Shelling…)


この時のShellingから送られてきた最後の点字は、自己破壊プログラムの進行が進み、文字がズレ、普通なら誰にも読めない様な物だった。


しかし、茂には読めた。


何故ならそれは、たった一人の友人の気持ちが分かったからである。


そして、茂はこう思った。
“それは、俺の方だよ…”っと。



それから茂は、一人で今のマンションに住む様に成り。


ずっと、待ち続けた。


一人の男を…


一人のMessiahを…


そして、その男の覚醒を…

茂が12歳の時の回想シーンが終わる。
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