『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
Shelling『あの時、君に送った最後の点字は、消える間際だったから、ちゃんと書けたかったから、改めて言うね。』


Shelling『ありがとう。』

Shelling『君は、僕に、友達だって言ってくれた。』

Shelling『友達なんて出来る筈の無い電脳世界の僕に、初めて友達だって言ってくれた。』


茂『俺も、君と同じだ…』

茂『俺にも、友達は君しか』


Shelling『何言ってるんだよもう君には、友達が居るじゃないか』


Shelling『もう、君は一人じゃない』


Shelling『僕なんかより、良い友達が、居るじゃないか』


Shelling『良い意味で、君にはもう僕は必要無いんだよ』


茂『そんな事言うなよ』

Shelling『ゴメン、僕はそろそろ、時間みたいだ。』

茂『時間って…まだ全然…』


Shellingの姿は、次第に薄くなり、消えかけていた。

茂『Shelling待ってくれ俺はまだ…』


Shelling『最後にもう一度言わせてくれ。』


Shelling『ありがと…』


Shellingは茂の前から、姿を消した。


満足そうな微笑みを浮かべながら。


茂『Shelling』


茂『そんな…』


茂『俺はまだ君に聴きたい事が山ほど有るのに。』


茂『俺は君に言いたい事が山ほど有るのに。』


茂『また俺は、言いそびれちまった。』


茂『Shelling…“ありがとう”。』
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