『Memory's Messiah』（ダークファンタジー）

そう言うと、ロブは横たわって居る滝沢のクローンに向かい、こう言った。


老人[ロブ]『さぁ目覚めよ…親愛なる我が息子“Noah”よ…』


老人[ロブ]『もう演技をする必要は無い』


老人[ロブ]『さぁ、今こそ立ち上がるのだ』


すると、そのロブの言葉に反応するかの様に滝沢のクローンの体が青白く光始め、倒れて居たクローンが起き上がった。



雪華『え』


リン『たっ、たっちゃんが二人』


茂『ど、どうなってるんだ』


滝沢『どう言う事？…』


皆の疑問に答えようとするロブ。


老人[ロブ]『驚いて居る様だなぁ。』


老人[ロブ]『では、分かりやすく………』


すると、説明をしようとしたロブに、滝沢のクローンが言った。



クローン『ここからは、私に話させて下さいませんか？』


老人[ロブ]『あぁ。』



すると、滝沢のクローンは滝沢達に、事の全てを打ち明けた。



クローン『改めて、初めまして。私の名は“Noah”っと言います。』


滝沢『ノ、Noahって…あのNoah』


Noah『はい。』


茂『どう言う事だ？俺は、ただの滝沢のクローンしか作った覚えは無いぞ？』


Noah『その滝沢さんのクローンを作った事が、重要だったんです。』


Noah『順を追って説明しましょう』


Noah『まず、今、世界中に生きる人々の中には、多かれ少なかれ、私のDNAが混ざって居ます。』


Noah『そして、そのDNAの結晶とも言える、私の血を最も濃く受け継いで居るのが、滝沢さん、貴方ですよね』


Noah『そして、今の滝沢さん同様に私の血を最も濃く受け継いだ人々は、あらゆる時代で“救世主(Messiah)”っと呼ばれる様な人ばかりでした。』


Noah『しかし、その今までの救世主ですら“成し遂げられない程の事”を茂さんはしてしまったんですよ。』


Noah『つまり、それが“救世主のクローンを作る事”だったんです。』