『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
第9章『悲しみの断片』
滝沢と茂の2人は“Memory社”へ向かい始めた。


全てを終らせる為に…



マンションの外。


滝沢『あっちゃ〜、今から“Memory社に向かう”ってのに雨かよ〜』


茂『そう落ち込むなよこれも計算済みだ』


茂『俺の計算では、あと10秒で、あの道の角からタクシーが来るから』


茂『10・9・8・7・6・5・4・3・2・1…』


滝沢『あ本当に来た』


滝沢が道の角から来るタクシーを指差した。



滝沢『スゲーなぁ茂。』


滝沢『タクシーを呼んでおけば、“そのうち”タクシーが来るって事は分かるけど、何で“秒刻み”でタクシーがいつ来るか分かるんだ?』



茂『何を今更…お前は知ってるだろ?』


茂『俺の“最大の特技”が何かを』


滝沢『“第3の特技”ってそれはまぁ〜ね、でも茂の特技って“ヨミ”の深さだろう?要は、相手の“考え方”や“行動力”、それと“性格”その“3点”さえ分かっていれば、常に相手の行動や 出方が手に捕る様に分かるって奴だろ』

茂『あのなぁ、確かにそれも有るが、それじゃただの根拠の無い“当て感”っと一緒だろ』


茂『その単なる“当て感”と俺の“計算”を一緒にしないでくれ俺の計算にはちゃんと、計算し尽くされた“根拠”が有るんだから』


茂『例えば今のタクシーの事だって、まずはパソコンでリアルタイムで見ていた天気予報で何時頃“雨が降るか”を知って居たし、タクシーを呼んだ時にも、近くの道路を走る車のカーナビのデータから道の混み具合を調べた上で、タクシーの運転手に来る時の道を予め伝えておいて、“時間帯形式の信号の待ち時間”と“ここに来るでの距離”と道の広さに寄って導き出された“タクシー自体の安全な速度”を計算すれば、大体誤差は“2〜3”秒って事だ』
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