『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
そう言った新道の顔を見て、咲も微笑みを浮かべ、照れ臭そうに頷く。


咲『ええ』


新道[昔]『なぁ咲、また二人で色々な研究をしようそして…また前みたいに、笑い合って暮らそう』


咲『うん』

咲(ごめんね…明君……私、自分の事しか考えて無かったかも……明君は一生懸命、私が目を覚ますのを待って居てくれたのに…)

咲(私はそんな明君の気持ちも知らずに、一人で落ち込んで……)


咲(死んだ、新田君や上杉君、それに…私達の赤ちゃん……私達はあの子達の分まで幸せにならなくちゃね……)



新道は咲の手を取り、研究室から外に出た。


外の天気は二人を祝福するかの様に、青々と晴れ渡り、日の光が眩しいくらい差し込み、これからの二人の人生を照らすかの様な明るい日差しだった。



新道『私と咲は二人で、また研究に明け暮れた。』


新道『本当に幸せだった、この幸せが何時までも続く事を祈った。』


新道『しかし、その幸せも、たった10年で終りを告げた。』


滝沢『10年?』


新道『今度は日本そのものの制度が変わりはじめた。』


滝沢『日本の制度?』
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