『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
第16章『Dead or lonely』
“新道の記憶”の映像を見ていた滝沢達だったが、あまりにも、衝撃的な事実に、滝沢達は皆、言葉を失った。



滝沢『……』


滝沢(こ、…これが人間の歴史…)


リンは涙を流しながら、ただ悲しみの表情を浮かべている。


リン(…酷いよ…酷すぎるよ…)


茂『………』


雪華(こんなの悲しすぎる…)



黙り込む滝沢達を見て、新道がまた記憶の映像を映し始めた。



銃で撃たれ、倒れ込む咲だったが一命を取り留め、まだ息が有った。


そして、政府は新道を鎖から解き放つと、新道は真っ先に、咲の元へ向かう。


自分に向かって走って来る新道に向かい、手を伸ばす咲。


新道が涙を流しながら駆け寄り、咲きの手を握る。


さらにその様子を見つめる日本政府達、その中の一人が、新道に語りかけた。


日本政府『新道博士、貴方には失望しましたよ…』


日本政府『何故貴方は涙を流すのですか?…』


日本政府『何故悲しむ必要が有るのです?…』


日本政府『確かに…今博士が泣いているのは“最愛の妻”を亡くす悲しみかも知れません。』


日本政府『今現在世界中の人々が“大切な人”を亡くすのと同様にね…』


日本政府『…だが、貴方は違う貴方は、悲しむ“必要”は無いじゃ有りませんか』


日本政府『貴方は、自ら生み出した研究で何度でも、大切な人を“蘇らす”事が出来るじゃ無いですか』

日本政府『私達はもう貴方を解放しますこれで、貴方は晴れて自由の身ですどうぞ、御自分の好きな場所へと行って下さい』
< 86 / 207 >

この作品をシェア

pagetop