『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
その頃、新道は咲を抱え、技術開発局の外の景色を見て、愕然とした。


新道[昔](俺が幽閉されている間に…こんなにも街は崩壊していたのか…)


新道『技術開発局や政府の建物は最先端の技術を用いて造られた為、ミサイルが直撃しても、微動だにしなかったお陰で、ずっと技術開発局内に居た私はこれ程街が崩壊していたとは思いもしなかった。』


新道が辺りを見渡す。


そこには何も無く、誰も居ない、だだ崩壊した街の残骸と、街に住んでいたであろう人々の死体だけが散乱していた。


咲を抱えて居た新道の頬を伝う涙が、咲の顔にこぼれ落ちた。


咲『どう…したの?…貴方……何故泣いているの?…街は…?街はどうなってるの?


新道[昔]『………』


咲『ねぇ…貴方?貴方?……』


咲が手探りで新道の顔に手を当てる。


だが咲にはもう感覚すら無く、その瞳には何も写っては無かった。


咲『ねぇ聞こえる?…貴方?…明君?』


その咲の動きの異常に気が付いた新道は、また涙を流した。


そして、咲の手をしっかり握り、新道が咲に話し掛ける。


新道[昔]『咲?…聞こえるか?…咲?……』


新道の言葉に、僅かに反応する咲。


咲『街は?街はどうなってるの?街の皆は?…』


新道[昔]『平気だよ…この街は攻撃されなかった見たいなんだ…そんなことより、速く、俺達の研究所に向かおう。速く研究所に行って、手当をしようまだ助かるから咲は俺が守るから…俺が救うからそれまで頑張ってくれ』
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