緊急HR
『…え?』

散々わめき暴れていていた上沢が、ピタリと止まった。

彼女の腕には鳥肌がたっている。

そして何かに怯えるように、ゆっくりと自分の足元を確認した。

『?どうしたん…』

不思議に思い、同じように上沢の足元に目をやった俺は


…絶句した。





うずくまっていたはずの柏倉が


上沢の足首を掴んでいたのだ。

『…の』

ソイツは唸り声をあげたかと思うと

『糞餓鬼ぃいぃいぃいぃ!!!!!!!!!!!!!!!』

顔を真っ赤に染め上げ叫び狂い

手に持っていた(西村を殺した)ナイフで上沢の右足を勢いよく刺した。


.●・..・●.・


『ぅあぁあぁっ!!!!』

上沢は味わったことのない激痛に顔を歪めた。

穴が開いた紺色のソックスから、血がドクドクと溢れ出てくる。

その血まみれの右足はガクッと崩れ、上沢は片膝をついた。

柏倉は間髪を入れずそのまま彼女を押し倒した。

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