緊急HR
『分かってるよ…!!』

中島は、近くにあった丸底フラスコを取り、ドアのガラス窓部分めがけて投げつけた。

『!?』

フラスコはパリンと大きな音で割れ、それがぶつかった衝撃で、ガラスも砕け散った。


パリン、パリン、パリィン…


それを何度か繰り返すと、ガラスは無くなり、ただの吹き抜け窓となった。

俺と上沢は、終始ポカンと口を開けて見ていた。

『鍵、貸して』

中島は俺から鍵を受け取ると、その部分から手を出し、外側の鍵穴にはめようとした。

その《野性的》な考えは、流石 中島といった感じだ。

ただ、鍵穴はドアの真ん中辺りにある為

上部の窓からは背伸びをして腕をギリギリまで下へ伸ばさないと届かない。

かといって密着しすぎると、残ったガラスの破片で怪我をする恐れがあった。

『んっ……ぐっ』

中島はガチャガチャと鍵穴付近をつつく。



あと数センチ足りない…

< 45 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop