緊急HR
『あぁあぁあぁあぁあぁあぁあっ!!!!!』

『!!?』

突然柏倉が、悲鳴とは違う大きな叫び声を上げ、準備室から姿を現した。

床に伏した生徒達を容赦なくドカドカと踏みつぶして、こちらへ向かってくる。

手には、俺が置いてきてしまったナイフがしっかりと握られていた。

『全員まとめて死ねぇえぇ!!!!!』

硫酸で爛れた顔からは、もはや"人間"が失われていた。

むしろ、奴は自身が人間だという事を忘れているのかもしれない。

『やべっ…』

『おい中島!!!』

『分かってるよ!!黙ってろ!!!』

中島は焦ってドアに体を密着させた。

残ったガラスの破片が中島の脇腹に食い込む。

血が、真っ白なシャツにじわりと滲んでいく。

『う…くっ』

しかし彼は構わずに腕を限界まで伸ばした。


【もう少し、あと少しで…】


鍵穴まで数ミリという距離に達した。

しかし、手が震えてなかなか挿さらない。

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