緊急HR
『!!!!!』

その瞬間


俺は"死"を、リアルに感じた。




…ガチャッ


途端、何かが外れる音がした。

中島が、ついに鍵穴に辿り着いたのだ。

『!!開いた!!!』

その声を聞き、俺は反射的に柏倉の腹に拳を一発入れた。

『ぐふっ…!!』

柏倉は低い声を出して身を屈めた。

その隙に、俺は奴の手を振りほどき、同じ箇所に蹴りをお見舞いした。

ドフッと鈍い音が立った。

柏倉はよろめき、机に寄り掛かった。



『行くぞ!!!』

中島が勢いよくドアを開けた。

俺は立ちすくむ上沢の手を取り、外へと飛び出した。

『待て…ぇ…』

奴の弱々しい声を遮り、中島は再び外から鍵を閉めた。

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