緊急HR
『じゃあここの問題ー…長曽根(ながそね)』
『えっ…?』
突然指され、頬杖をついていた長曽根の顎がカクッとずり落ちた。
周りのヤツら、いや、クラス中が"珍しい"と少しどよめいた。
しかも、よりによって長曽根とは…
『えーと……か、解の公式?ってなんでしたっけ?』
あはは…と苦笑いしたコイツ、長曽根は
理数系が大の苦手でテストではいつも赤点だった。
『………なんだと?』
長曽根の言葉を聞いて、斉木は眉間に皺を寄せた。
『お前はまだ分からないのか…俺がこんなに説明しているのに』
『えっ…いや…その…』
斉木のいつもと違う雰囲気に、長曽根は戸惑った。
『減点だな』
そう言うと、斉木は勢いよく
シュッ
と、"チョーク"を飛ばしてきた。
…馬鹿か?
今時そんなやり方をする教師が居るとは…
それに、そんなもん当たるはずがない………