君に秘密の恋
「毎日毎日、何したらこんなに傷だらけになるの?」


「男の勲章だって♪」


小学五年生の健二の言葉に、ガクッと肩を落とす。


心配するこっちの身にもなって欲しいけど、そんな気持ちは伝わらないのかもしれない。


膝と肘を順番に消毒しながらその周りにある痂(カサブタ)を見たけど、どこがいつの傷なのかよくわからなかった。


「はい、終了」


そう言って、いつものように健二の膝の絆創膏の上をペシッと叩(ハタ)いた。


「痛(イテ)っ!!」


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