君に秘密の恋
夢じゃないんだ……


心の中で呟いた時、あたしの中に色んな感情が入り混じって涙が溢れ出した。


「泣くなよ……」


困ったように笑った健一がいつもよりも優しくて、益々涙が止まらなくなってしまう。


「健一……」


あたしは、彼の瞳を真っ直ぐ見つめた。


「何だよ?」


そう訊いた健一も、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめている。


ぶつかり合った視線が、少しだけ切ない。


胸の奥が締め付けられるのを感じながら、健一を見つめたまま口を開いた。


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