君に秘密の恋
「何すんだよ〜っ!!」


情けない声を出した健二は、あたしをキッと睨んだ。


態度だけじゃなく、顔付きまで健一に似てきた健二を見て、一瞬だけドキッとしてしまう。


ここまで来れば、あたしはもう重症なのかもしれない。


「……そのうち、軽い怪我じゃ済まなくなるよ」


ときめいた事を誤魔化(ゴマカ)すようにため息をついて、キッチンに行ってお米を研ぎ始めた。


「なぁ、千晶……」


あたしの後から付いて来た健二は、偉そうに冷蔵庫にもたれ掛かった。


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