君に秘密の恋
翌朝。


「千晶!」


学校に行く途中、後ろから走って来た紫に声を掛けられた。


「おはよう!」


「おはよ、紫」


「今日は千晶の方が早かったね」


「うん。いつもより早く目が覚めたから、ちょっと早めに出たの」


頷きながらニッコリと笑うと、紫は可愛らしい笑みを浮かべた。


あたし達が通学路として使っている道には、至る所に紅葉の木がある。


舞い落ちた無数の紅葉で出来た赤い絨毯の上を、紫と他愛のない話をしながら歩いた。


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