君に秘密の恋
「千晶、帰ろ♪」


放課後、帰り支度を済ませた紫が笑顔で言った。


頷き掛けた時、昨日の事を思い出す。


「紫、今日って時間ある?」


「どうして?」


「健二がね……」


可愛らしく首を傾げた紫にそう前置きをしてから、下駄箱に向かう間に昨日の健二との事を話した。


「あたしでイイの?」


「うん、助かる!ありがとう!」


控えめに訊いた紫に笑顔を向けると、彼女はニッコリと笑って健二の相談相手を引き受けてくれた。


< 28 / 108 >

この作品をシェア

pagetop