君に秘密の恋
「そういえば、健一に聞かれたくないんでしょ?家で話す?」


「兄ちゃんなら、確か今日はバイトだって言ってたし、俺ん家でイイよ」


あたしが訊くと、健二は笑顔で答えた。


エレベーターを降りて、彼の後を歩く。


自分の家はすぐ隣なのに、学校帰りにそのまま健一の家に行くなんて何だか変な感じがする。


「入って!」


「じゃあ、お邪魔します」


「どうぞどうぞ!」


違和感を抱いていたあたしは、家の中に入った紫に続いて靴を脱いだ。


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