君に秘密の恋
「告ればイイのに」


「あのねぇ……健一には好きな人がいるのっ!!」


勢いに任せて言った後で、あたしはハッとした。


健二の隣には、健一の気持ちを知っている紫がいるのに…。


「知ってる。紫ちゃんだろ?」


「バカッ!!」


そう答えた健二の頭を、慌ててパシッと叩いた。


「痛っ!!何すんだよ!?」


「アンタ、デリカシーって言葉も知らないの!?空気読みなさいよっ!!」


あたしを睨んだ健二に、強い口調で言い放った。


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