君に秘密の恋
「あたしで悪かったわね……」


健一の言葉に棘(トゲ)を感じて、皮肉っぽく言い返してしまった。


「マジで可愛くねぇ……」


煩い……


可愛くない事なんて、自分が一番わかっている。


それでも、健一に『可愛くない』って言われる度に、ずっと傷付いて来た。


それが好きな人からの言葉だから、余計に苦しい。


「どうせあたしは、紫みたいに可愛くないよ……」


あたしは小さく言った後、唇をきつく噛み締めながら健一をキッと睨んだ。


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