君に秘密の恋
「そういえばさぁ……」


不意に健一に話し掛けられて、彼がまだベランダにいた事に気付いた。


「何……?」


控えめに訊きながら、さっきの事を頭の中から押し退ける。


「健二、彼女いるんだって?」


「え?それ、誰から聞いたの?」


「本人。さっき、暇潰しに問い詰めてみた」


そう答えた健一を見ていると、彼に問い詰められて困っている健二の姿が浮かんで…


二人の様子を想像したあたしは、つい可笑しく思ってプッと笑ってしまった。


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