君に秘密の恋
『やっと離れられる』


そう言った健一にとって、あたしはやっぱり欝陶しい存在でしか無いのかもしれない。


可愛くない幼なじみと何年も同じクラスなんて、きっと楽しくなくて当たり前…。


だけど…


いざ面と向かって言われてしまうと、すごく堪(コタ)えた。


健一の言葉で傷付くのなんてもう慣れているし、それを悟られないようにきつい言葉を返すのも、あたしの得意分野のハズ…。


それなのに…


今日は、上手く切り返す言葉が中々見付からなかった。


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