君に秘密の恋
「え……?」


何の“ごめん”……?


声に出して訊けなかったのは、振られてしまうのが恐かったから…。


健一と付き合えると思っていた訳じゃない。


だけど、彼にハッキリと振られてしまったらもう幼なじみにも戻れない気がして、すごく恐くなって…


そんな現実と向き合う事なんて、どうしても出来そうには無かった。


あたしは、健一から視線を逸らして目を伏せた。


「返事はいらない、から……」


そして、俯いたまま小さく呟いた。


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