君に秘密の恋

「健一は、紫の事が好きだったんでしょ……？」


改めて言葉にすると、健一が戸惑いを浮かべながら口を開いた。


「紫の事を好きだったのは否定しねぇけど……。今はもう、そういうんじゃねぇっつーか……」


言い難そうに話している彼は、必死に言葉を選んでいるみたい。


そしてそれは、自分(ｱﾀｼ)を気遣っているからなんだと言う事に気付いた。


「紫に振られた時は、それなりにショックだった。でも……」


健一はそこまで話した後、息を大きく吐いた。