‐君の隣で‐
「お前、なんで家出したんだ?」
仁さんは作った二つのココアを机に並べた。
「あっありがと…」
仁さんとだったら、自分らしく素直になれる。
「んで?どうして?」
「言いたくない…」
この話しをすると、みんな私から離れていっちゃうから。
仁さんは真剣な顔をした。
「無理しては聞かない方がいいんだろうが、この家に居るってことは俺に責任がある。じゃないとここには置けない」
「でも…」
そんな冷たいこと言わないでよ。
私の心はまた冷たく染まった。
「ゆっくりでいい、時間いくらでも掛けていいから、少しずつ話してほしい」
仁さん…