‐君の隣で‐
人影は私に気づいたみたい。
街灯が一つもないため、顔は全然見えない。
「だれ」
低い若い男の声だった。
「あなたこそ誰?」
「お前女か」
「そうだけど」
お互い顔も見えないまま、会話だけが進んでいく。
「なんでここにいる」
何て答えよう、家出?知らない人なのに?
「あなたこそ」
「お前家出だろ?背的に高校生ぐらいか」
「だから何?」
「早く帰れよ」
「あなたには関係ないじゃん」
「あ~帰る所が無いんだったけな、そりゃすまんすまん」
すごいムカつく。