‐君の隣で‐



「なんなのあんた」



「おーおー、やるねぇ。大人に向かってその口ぶりはないだろ」



私はうざくなったから公園から出ようとした。



「おい待てよ」



「なんなのよ」



「帰る所ないんだろ?」



「あんたには関係ないでしょ」



「名前は何ていうの?」



「は?」



意味がわからないよ。



「ほら、名前」



「名前聞くときは自分から名乗るもんだよ」



「お前生意気だなぁー」



「人見知りなの、知らない相手に優しくするかよ」



若い男は、「ははっ」と少しだけ笑った。



「俺は野崎仁<ノザキジン>」





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