静寂なる雑踏の中で
――――このゲームはここからが本番ですヨ♪
「ふうっ・・・・
・・・・・何だったんだ?今のは。」
「そう、アレはタルタロスの住人《影(シャドウ)》でス♪」
「またアンタか。
・・・・いきなり登場するのが好きみたいだな。」
ヤクモが冷たく言う。
「で、『アレ』って何?
アタシはすぐとんずらしたから、な〜んにも見てないんだけど。
まぁ、あそこが危険とわかった天才少女ユキちゃんの素晴らしい洞察力が・・・・・―。」
「影とは実体を見た訳じゃないから・・・・推測でしか無いんだが・・・・。」
「お〜い、聞けぇ〜。」
誰もユキの話しなんて聞いていなかった。
「死人だな?」
「!!」
「正解ですヨ♪ヤクモ君♪
良く気付きましたネ♪」
「《タルタロス》って聞いて思い付くべきだったんだ。
ここに生きて存在知るのは俺達だけって事を。」
「え?何で?」
無視されっぱなしのユキが口を挟む。
しかし、また無視された。
「アンタ、名前は?」
ヤクモがアイツに訊く。
「《ハデス》ですヨ♪」
「・・・・・確信が持てた。
この処は冥界、死人の国だ。」