静寂なる雑踏の中で
「《冥界》?
って事はアタシ死んじゃったのぉ!?」
ユキが狼狽える。
「いいえ、アナタ達は生きて居ますヨ♪
・・・・・そう。生きながらえにして、このタルタロスに存在するアナタ達は極めて異質なんですヨ♪
影は『異質物を排除せよ』と言う命令の下に活動して居ますから、異質物・・・・アナタ達を排除しようと・・・・・簡単に云うと殺そうとしまス♪
あ、そうそう、影は殺せませんヨ♪
だって、もう死んでいるんですかラ♪
さて、このタルタロスで一週間、生き延びて下さいネ♪
じゃなきゃ、
アナタ達は居場所が無くなっちゃいまス♪」
「居場所とは?」
ヤクモが訊く。
「アナタ達が暮らして居た処での、アナタ達の居場所ですヨ♪」
「???」
ユキはまだ理解出来てない様だ。
そんなユキを見て、ハデスが解りやすく説明する。
「簡単に云うと、例えばアナタには、
家族がいて、
友達がいて
近所に知り合い何かも居ますネ?♪
その家族が、友達が、知り合いが、アナタの事を忘れて、否、
アナタと云うヒトの存在を知らなかったとしたら、
・・・・・ここから先は言わなくても解りませネ?♪
そう云う事ですヨ♪
・・・・エル君、ワタシは最初アナタを、このゲームの参加者として認めませんでしたが、特例としてゲームの参加を認めまス♪
では、今日のゲームはこれで終了ですヨ♪
ゲーム開始の合図は赤信号でス♪
覚えおいて下さいネ♪
では、皆さん、お休みなさイ♪」