王国ファンタジア【宝玉の民】-外伝-
医師の忠告と揺るがぬ決意【癒しの民】
案内された部屋は、これまた豪華な部屋だった。
装飾もさることながら、料理が…。
10もの円卓が置かれ、その上には東西南北、各地の様々な料理が並んでいた。
討伐部隊のメンバーそれぞれに、自分達の口に合う食事が出来る様に配慮されているらしい。
(……たかが20人程度に、これだけの量か…)
嬉しい気遣いなのだろうが、ドラゴンの脅威に晒されているという現状を考えれば、愚かと言うより他無い。
これの半分でも、避難した者達に配給してやればいいものを…。
(これだから平和ボケした高級ブタ共は嫌いなんだ…)
きっと討伐メンバーの中にも、この光景に疑問をもった者が居るだろう。
しかし、過ぎたことを今更言っても始まらない。
他のメンバーはそれなりに楽しむことに決めた様だ。
職業的にもこういった華やかな場所は不似合いなドルメックは、壁の華に撤することに決めた。
ボンヤリと交流を深めている面々を眺める。
その時、不意に聞こえた言葉。
「宝玉の…民…?」
一瞬、聞き間違いかと思った。
声のした方向に視線を送る。
「ん?」