王国ファンタジア【宝玉の民】-外伝-
騒がしい三人組は、最後まで賑やかに去って行った。
呆然と見送ったドルメック。
夜の静けさが帰ってきた。
物珍しさに狙われ続ける【妖精】
絶滅寸前の数少ない生き残りの【月灯の民】
闇の世界に精通する【普通の少年】
それぞれが決して軽くは無い想いを抱いている様なのに、底抜けに明るい三人。
なぜか、先程のベリルとのやり取りを思い出す。
「…ああいうのが、前に進める強さってやつなのかな…?」
そんなことに思い至るが、彼女らを見たドルメックは、あんな風になれる自信はまるで無かった。
………色んな意味で。