王国ファンタジア【宝玉の民】-外伝-
わだかまりも解け、ドルメックはもう一つの目的を切り出した。
テーブルの上に、持ってきた荷物を拡げる。
それはドルメックが今までに集めた魔力の籠った品々。
「あんた昨日、俺の母親がマジックアイテムの補助をしてくれてたって言っただろう?
代わりになるか分からないけど、俺が持っている物の中で使えるのがあったら貰ってくれ。
…借りは作りたくないんだ」
その品の数に目を見張るベリルとセシエル。
その数20点。
マジックアイテムは稀少価値が高く、一処にこんなに集まるのはかなり珍しい事なのだ。
「こんなに集めるのは、大変だっただろう?
パッと見ただけでも価値の高い物が多い。
……いいのか?」
「あぁ、どうせ俺は[民の雫]以外の魔力を操れないから…。
マジックアイテムは、使える人間が持っていてこそ真価が発揮されるもんだろ」
ドルメックは事も無げに肩を竦める。
ベリルもドルメックの言葉に納得し、見極める様にテーブルの上を眺めた。
「ふむ…」
右手を顎に掛け、思案する様に目を細める。
セシエルは、どこか他人事の様にベリルを見ていた。