恋色模様
あなたが好きだって言ってた曲をね、学園で弾きたかったの。
「れーい!カノン弾くんでしょ?私もいい?」
「彩愛…もちろんだよ!」
2人で屋上へ向かった。
弾いてるうちに涙が溢れた。
「麗…陽向に聞こえてるかな?」
「きっと」
私がバイオリンを弾くと絶対カノンを弾いて、と頼まれた。
聞いてくれてる時の陽向の表情が大好きだった。
「…っ…」
彩愛は、ビオラを弾く手を止めた。
「陽向…麗の背中…押してあけてくれない?
半年たって、今さらかな?新しい恋できるように、麗のせなか……押してあげて?」
「ひなたぁっ!!メールっ…ありがとう!!」
私は大粒の涙を零した。
もう拭ってくれるのは、貴方じゃない。
さよなら、やっとできた。
大好きな陽向…ありがとう。
さよなら。