恋色模様
「ごめんね。これ読んでね。謙」

私は謙の耳元で

「私の事、聖奈だって思っていいからね」

と、囁いた。

「ばか、麗は麗だろ?」

「ふふ、謙だいすき(笑)」

「そりゃどうも?(笑)」

「じゃあいきまーすっ」

私はすぅっと息を吸う。

お芝居なんて、何年ぶり?

中等部にいるときの学園祭以来かな……。

「謙……私ね…謙が好きなの……」

「『俺も……出会ったときから…好きだった……』」

謙の顔が近づいてくる。
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