恋色模様
お母さんには…言いたくなかった。

「連絡しなくて…いい…」

「かしこまりました」

濱野は優しく笑ってくれた。



聖奈家。

「ゆっくりしてねっ!」

「私……お泊まり初めてかも……」

「うそ!!麗は真面目だね〜」

「そんなことないよ…私なんて」

どんどんマイナスに考えてしまう…。

「あーーーっ!」

「…彩愛?」

「どうしたの」

「くよくよしない!!!麗と陽向の間になにがあったか知らないけど、

みんなといるときぐらい無理するほど笑いなよ!!!」

涙が溢れてきた。

「……っ…ごめんっ……私……自分の事しか考えてなかったっ…ごめんね…

せっかく誘ってくれたのに……」

「麗はさ、ため込みすぎなんだよ…もっと頼んなよ…みんないるじゃん…」

「うんっ…ごめんね」

私はやっぱり名古屋に来てよかった。
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